ストーリーのあるものが好きだ
例えば、米
そして味噌
朝起きて、昨晩から漬けていた玄米に火をかけて炊く
ストックしている昆布と干し椎茸のだし汁を少量鍋に移し、具を入れて、火にかける。煮えたら、火を消し、味噌を溶く
毎朝のこの行事も、玄米がどこからやってきて、味噌がどのように作られているかを知ることで、気持ちの持ちようが全然違う
(この玄米は、阿蘇産の無農薬で、白髪のあご髭おじいちゃんが作ってる)
(この味噌は、方言の強いおばあちゃん達が手を使って丁寧に楽しく作ってる)
単純に楽しいのだ
自分が、チェーン店を好まないのも、そういうことだ
目の前の料理が、全店共通レトルトパックを規則通りに1分45秒600Wで温められたカレーなのか、3年もの研究と食べ歩きと脱サラを経て生まれた血と汗と涙のカレーなのかで極端な話、同じ味でも全然違う。同じ味だったら困るのだが
何が言いたいのかわからなくなって来た
さっき血と汗と涙のカレーを食べたからだろう
もうとっくに顔も知ってるのに話す機会がなかったオーナーと、他にお客がいない時間に話をすることができた。たった5分話をするだけで、その後お店で過ごすであろう20分x∞回の時間が何か意味のあるものになる。なんてすごいことだ。その人がお客の多さにいっぱいいっぱいになっているときに、心がザワザワして、人ごとじゃなくなる。目の前のカレーが、一層輝いて見える。
ワイルドな見た目だが、シャイなオーナーに、私はいつも無言でエールを送る
今日から思いつきでお弁当業をはじめて、
作った相手に「この玄米はね」「この味噌はね」って話をするのが心から楽しかった
楽しい、って本当に大事
「今、楽しい?」
楽しいよ
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